アーカイブ:2026年10月
2026.10.19
お知らせ

映画『赤土に眠る』(2027年3月より全国公開予定)のみどり市内先行特別内覧が10月18日、群馬・みどり市の笠懸野文化ホールで行われ、みどり市の須藤昭男市長、メガホンをとった金子雅和監督、主演の藤原季節が出席。MCはみどり市出身の俳優・大川楓佳が務めた。

本作は、市制施行20周年を記念事業としてみどり市が制作する映画で、現在のみどり市である新田郡笠懸村岩宿の関東ローム層から、人によって作られたと思われる石器を1946年に発見し、人類の歴史は日本では縄文時代から始まったという定説を覆し、日本列島に旧石器時代が存在したことを証明することの礎となった人物・相澤忠洋さんの若き日の奮闘を描くファンタスティックな物語。

2026年は相澤さんの生誕100周年、岩宿遺跡発見80周年、そしてみどり市誕生20周年が重なる記念すべき節目の年にあたるが、そんな年に映画を届けることができた心境を聞かれると、須藤市長は「映画を作ろうと思ったのは3年半くらい前で、映画には費用がかかるので、クラウドファンディングや一般寄付、企業版ふるさと納税など、いろいろな方に物心両面でお世話になり、今日を迎えることを大変嬉しく思っております」としみじみと語り、「映画の約6割をみどり市内で撮影をいたしました。金子監督が凝りに凝って場所を選んでくださったと感じています」と感謝。

金子監督は「この映画はちょうど1年前の10月19日にクランクインしました。まさに1年前の今日、現地入りして準備を進めていたんですけど、1年後に上映していただけて嬉しく思っております」と声を弾ませ、「相澤さんが実際に行商をしながら発掘していた岩宿遺跡のすぐ近くであるこの場所で、多くの皆さんに世界でいち早く見ていただけること、嬉しく思います」と吐露した。

そして、藤原は『赤土に眠る』の撮影を終えて以降、「『赤土に眠る』をたくさんの人に見ていただきたい一心で、俳優活動だったり生活だったりを頑張ってやってきたような気持ちがあります」と胸の内を明かし、「もっともっと多くの人の心の深い場所に届くように頑張っていきたいと思っていますが、今日がその最初の1日なのですごく嬉しいです」と熱く語った。

 

また、相澤さんはみどり市にどのような影響を与え、どんな存在か尋ねられた須藤市長は「相澤さんは大学の考古学教室を出たわけでもなく、考古学で有名な師匠に弟子入りして学んだわけでもなく、ただ発掘が好き、石が好き、昔はどんな生活をしていたんだろうというのが好きで、自分で真実を追い求めたいという一心で、世界的な偉業を成し遂げた方なのかなと思っています」といい、「“好きこそ物の上手なれ” という言葉、そして“情熱に勝る能力なし”。まさに相澤忠洋さんそのものの言葉なのかなと思っています。今、物質的には何不自由ない世の中になっていますけれども、真実を追い求める、こんなことを子どもたちにも、そして我々にも教えてくれているのが相澤忠洋さんであり、みどり市にとってはまさにヒーローそのものだと思っています」と言葉に力を込めた。

 

さらに、本作を撮影しようと思ったきっかけを聞かれた金子監督は、約38年前に小学生の頃に教材で読んだ岩宿遺跡での石器発見の記述が、相澤さんとの出会いだったことを明かし「まだ子どもで考古学も知らなかったんですけど、その情景が自分の目に浮かぶような感覚になって、相澤さんという人物に強く惹かれました」と明かし、その後、映画監督となり、2012年に桐生市とみどり市共同開催の映画祭で短編を手がけた際「将来、納豆を行商しながら世紀の発見をした相澤さんの映画を撮りたい」と公の場で宣言し、約14年の歳月を経て念願の映画化へと結実させた金子監督は「相澤さんの人間性や精神性、彼がどう世界を見ていたのかという本質を映画というフィクションならではの描き方で表現して作ったので、そこを楽しんでいただければと思います」とアピールした。

そして、相澤さん役のオファーを受けた当時の心境について藤原は「なんで僕なんだろうって(笑)。北海道出身で、石器に強い情熱があったわけでもない自分が、旧石器時代を発見した偉大な人物を演じていいのだろうかと思いました」と吐露しつつ、「せっかくいただいたご縁を何とか自分のもとに引き寄せて大切にしようと思い、相澤さんにご挨拶をするつもりで、自転車を往復200km漕いで(東京から)撮影現場まで向かったんですけど、あの時間は、どこかで天国の相澤さんが僕の姿を見て笑ってくれないかなという一心で自転車を漕いでいました」と告白し、観客をどよめかせた。

 

そんな藤原をキャスティングした決め手について、金子監督は「撮影前の製作発表の時に、東京からここまで自転車でやってきて、クランクアップ後もまた自転車で東京へ帰っていったんですけど、演じることに対しての真摯さは、他の作品の取り組み方を見ても感じていたので、相澤さんに顔が似ているかと、やっていこたことがどうとかではなく、生き方の真摯さに惹かれてお願いさせていただきました」と打ち明けた。

 

これに、藤原は往復200kmを自転車で移動したことを振り返り「行きは『演じるぞ!』という一心で自転車を漕いだんですけど、帰りは雨にも降られ、撮影も終わったので“ここまでやらなくてもいいだろう”と思って、『自転車で帰る』って言った時に“誰か止めてくれ!”と思っていました(笑)」と当時の心境を明かして会場の笑いを誘い、「プロデューサーさんが僕のスタート地点まで自転車ごと運んでくれたんですが、『プロデューサーとしては止めなきゃいけないが、男としては何も言えない』と送り出されて、“いや、止めてください!全力で止めてくれたらやめるのに!”と心の中で叫びながら『行ってきます』と…」と当時のやりとりを回顧し、苦笑いを浮かべた。

 

続けて、エキストラの方々のエピソードを聞かれた藤原は「エキストラの方々の演技が素晴らしすぎて、特に闇市のシーンの演技は見事ですね。あとは撮影現場に煮ぼうとうとか古代米のおにぎりを持ってきてくださった方々もいて、めちゃくちゃ美味しかったんです」と笑顔で語り、「その中の1人のおばあさまに『相澤忠洋さんを演じさせていただきます』って挨拶をした際に、『石の声を聞きなさい』ってアドバイスをいただいて、“えっ?ジブリ?”って(笑)。『石の声って聞こえるんですか?』と尋ねたら、『いつか聞こえるから』と深いアドバイスをいただいたんですけど、みどり市の方々は石の声が聞こえるんだなと、今でも思っています」とコメントして、みどり市の方々を笑わせた。

 

さらに、不屈の精神で世紀の大発見を成し遂げた相澤さんにちなみ、“困難や逆境の乗り越え方”を尋ねられると、須藤市長は「やはり原点回帰。何のために志したのか、初心に立ち返り、自分ができることから一歩ずつやってみること」と金言を語り、金子監督は「相澤さんの生き方になぞらえれば、目先で結果が出なくても諦めず、結果が出るまで遠くへ球を投げ続けること。そして監督としては、現場で困難に直面したときは、作品と一緒にやっているキャスト・スタッフを信じるしかない。それをいつも心がけています」とコメント。

 

藤原は「今回の撮影は、朝早くから山登りが続くようなタフな現場だったんですけど、僕は金子監督の後ろ姿をスマートフォンの待ち受け画面にしていました。金子監督の“この映画を撮るんだ”という信念そのものが非常に美しかったんですよ。悪意だったりが目に入りやすい現代だからこそ、自分の心を美しいもので満たしていたいと考えた時に、金子監督の後ろ姿を待ち受けにするという最終手段を取りました。金子監督の背中を見ていると、道が2つあったとして『右の道が通れないなら、何か月・何年かかろうと左の道を行くしかない』という当たり前のことが、あの撮影現場ではすごく大事でした」と明かし、「それはまさに、相澤さんが生きてきた生き方なのかなと思っていて、考古学者でもなく、幼い中、一家が離散してお寺に預けられて1人で生きてきた相澤忠洋さんが、極貧の中で納豆を売りながら土を見つめ続けて、運命を切り開くんだとか、夢を掴むんだという強い気持ちだけじゃなく、ひたすら目の前にある道をコツコツと生き続ける静かな意思みたいなものを感じたので、美しいもので心を満たし、神様仏様に手を合わせて、目の前の道を歩んでいく。父親がお寺の住職なもので、神仏に手を合わせて目の前の道を歩んでいけば道は必ず開けてくるはずだという父の教えがあります」と力強く語った。

最後に、PRメッセージを求められると、藤原は「悪意に晒されたり、人と自分を比べてしまいがちで、いろんな情報が入ってくる時代だからこそ、“夢中になって生きる”とはどういうことなのかを、この作品を通じてすごく考えさせられました。自分もそういう生き方がしたいと思っているので、この映画を見てくださる方にもその思いが届いたら嬉しいです。そして、僕が劇中で“石の声”を聞けているかどうかもぜひ見届けてください」と呼びかけ、金子監督は「相澤さんの史実がありつつも、彼がどんな精神で世界を見つめていたのかというところにフォーカスを当てて、フィクションならではの作り方で作っています。見れば見るほど新たな発見がある作品です。映画館で見る映画として作っていますので、全国公開の際にはぜひ劇場の大きなスクリーンで改めてご覧いただきたいです」とアピール。

須藤市長は「相澤さんの功績は中学校の道徳の教科書にも『真実を求めて』というタイトルで取り上げられています。AIが何でも即座に答えを出してくれる時代だからこそ、自分の頭で考え、自らの意志で道を切り開くことの大切さを教えてくれる映画です。来年の3月映画が公開になった後、市民の皆さんと一緒にみどり市を盛り上げていきたいと思っておりますので、それぞれの立場からもご協力をよろしくお願いを申し上げます」とお願いした。

2026.10.18
お知らせ

安田顕、渋川清彦、黒沢あすか、長谷川初範、白川和子などの共演者が発表となりました。

安田顕と黒沢あすかは楢山三郎と千代の夫婦役を演じ、相澤忠洋が過ごす長屋の大家として、彼の日々の生活を見守ります。

群馬県出身の渋川清彦は、戦争帰りで片足が不自由な密猟を繰り返している闇の行商人・実根田威役として出演。闇の商売に関わるよう相澤に近づいていきます。

相澤忠洋が気にかけこだわっている赤土が存在する無月村の主・八谷巖男には、

金子雅和監督の作品に3度目の出演となる長谷川初範。同じく無月村の住む老女・スエに白川和子が配役されております。

 

幅広い役柄をこなし演技に定評のある俳優陣が集結。

藤原季節が演じる在野の考古学者・相澤忠洋の人生に交錯していきます。

 

 

・安田顕(楢山三郎役)

御縁ある金子雅和監督の作品に、また参加できることを光栄に思います。

日本の自然美の中に描かれる、心と記憶に残る映画です。

常識や偏見に左右されず、赤土の中に眠る真実を探究し続けた青年・相澤の、

そのひたむきな生き方が、より多くの方たちに届きますように。

是非、ご覧ください。

 

 

・渋川清彦(実根田威役)

この作品に参加させてもらい、相澤忠洋という人を初めて知りました。自分で調べたり脚本から、相澤さんの人となりを想像し、当時のことなどに思いを馳せました。現場に入ると、相澤さんが乗り移ったような監督のたたずまいがあり、心が踊った記憶があります。行くのも困難なところや熊に遭わないよう行ったロケ地は、力のある金子監督の画になっています。スクリーンでご覧ください!

 

 

・黒沢あすか(楢山千代役)

かねてより金子監督が生み出す世界観に魅了されておりました。それだけに、今回作品の一員としてお声掛けいただいた時は、大変身が引き締まる思いでした。本作では相澤忠洋さんが身を寄せる長屋の大家として、安田顕さんと夫婦役を演じさせていただきました。相澤さんが石に賭けた一途な情熱と魂の輝き。ぜひ見届けてください。

 

 

・長谷川初範(八谷巖男役)

私たちの大地と自然をモチーフに、独自の映画表現に挑み続ける金子雅和監督。

誰にも似ることのない唯一無二の世界観は、観る者を日常の彼方へと誘い、幻想と現実が交錯する深遠な世界を描き出す。

『赤土に眠る』。

金子監督が紡ぐこの稀有な映画世界に、作品を重ねながら俳優として関わり続けられることは、私にとって大きな喜びであり、何ものにも代えがたい幸せを感じています。

 

 

・白川和子(スエ役)

怖かった。本当に怖かった。明かりひとつないすすきの河原を提灯ひとつで去っていくシーン。

村人達(エキストラさん)も大勢いて絶対に無事故でとの思いでひたすら歩いた。

私はスエという盲目の老人役。盲目とはこんな世界なのか・・・

打製石器をもとめ、ただひたすら土と格闘する相澤忠洋が、真っ暗闇の中でみつけた光と提灯のあかり。希望の光を絶やさず、黙々と追い求める執念は歴史をも変えられる。

ぜひとも、多くの方に見て頂きたいです。

 

2026.10.18
お知らせ

海外ビジュアルを手掛けているのは、『オオカミの家』や『落下の王国 4Kデジタルリマスター』のグラフィックデザイナー塚本陽。

愛用の自転車を相棒に、相澤忠洋が赤土と向き合い、目を凝らしながら「槍先型尖頭器」を一途に探す姿を描いたビジュアルになっております。

 

 

海外ビジュアルデザイナー

【グラフィックデザイナー 塚本陽(つかもと きよし)】

1973年東京生まれ。96年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。フリーランス。

映画のパッケージデザインや劇場宣伝デザインに携わっている。2006年、2014年TDC賞受賞。

最近の主な仕事に『オオカミの家』、『落下の王国』、『落下音』、『顔 -かお-』などがある。

ポートフォリオ:https://eraplatonico.tumblr.com/

X: @eraplatonico

 

 

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